お疲れ様です。梅田です!
本日は、借入金の返済が、なぜ経費にならないのか。
についてご説明したいと思います!
お客様からのご質問の中に、
なぜ、借入金の返済が経費にならないのか?
というご質問を頂くことがあります。
お金が出ていっているのに、経費にならないなんて・・・と思う気持ちも分かります。
ですが、それにはちゃんとした理由があるのです!
簿記を知っている人間に聞いても、「そういうものだから。」
という回答が返ってきたという方もいるかもしれないので、そんな時、この記事を参考にしていただければ幸いです!

経費にならない理由
金融機関などから融資を受けた借入金について、返済した金額が経費にならないというのは、実はちょっとだけ違います。
返済した金額のうち、「元金」は経費となりませんが、
「利息」は経費になっています。
決算書の中に、損益計算書という書類がありますが、その中に「支払利息」という表示があると思います。
その「支払利息」という項目の金額の中に、銀行への利息が含まれております。
こちらは、通常どおり経費になっております。
問題は、なぜ「元金」が経費とならないか?という点です。
仮に、返済した元金を経費として認めると、融資を受け、お金が入金されたときに、
収入(売上)とする必要があります。
なぜなら、お金を借りて返済するという行為に、得をした・損をした。
という事はありませんので、プラスマイナスゼロにならないと、おかしいですからね。
例えば、300万円の融資を受け、通帳に振り込まれました。
そして今期は60万円を返済したとします。(5年で返済する場合)
返済した60万円を経費にするのであれば、融資を受けた300万円を収入にする必要があります。
そうなると、お金を借りただけで、
1円も得をしていない(利益がでていない)にもかかわらず、
300万円(収入)ー60万円(経費)=240万円の儲け(利益)
が発生します。
法人税の税率を30%だとすると、お金を借りた初年度は、72万円の法人税が発生してしまいます。
残りの4年間は、返済した金額が経費になっていくという理屈です。
このような事が無いように、お金の貸し借りについては、損益(儲け)の計算には入らないようになっています。
お金を借りた段階で、収入にはならない代わりに、お金を返済した時にも経費にならない。
という事ですね。
ちなみに、補助金や助成金など、返済しなくて良い項目については、
収入として計上されることになります。
専門的な話だと。
ついでに、ざっくりと決算書のご説明も一緒に。
決算書というのは、基本的に、「貸借対照表」と「損益計算書」で構成されていますが、
先ほどの例でいうと、「支払利息」は、損益計算書の中の項目です。
損益計算書 は、売上・収入から経費を差し引いて、利益を計算する役割があります。
融資を受けた「借入金」は、貸借対照表の中の項目です。
貸借対照表 は、会社の財産や借金の残高金額を表示する役割があります。
今回の「借入金の元金」のように、貸借対照表の中での増減は、
経費になりませんので、頭の片隅に置いて頂ければ。と思います。